古本LOGOS 
いわしの読書日記改め、古本屋&ブックカフェ通信

31 December

言葉はナイフ?

今日は、いいことが2つと、ちょっと反省すべきことが1つあった。

いいことのひとつは、一見すごくつまんないことなんだけど。信号待ちをしていたとき、その対角の横断歩道にも信号待ちをしている小学生がいて、その子が、待っている間に、電信柱かポールかの周りをただぐるぐると歩いていた姿を見た、っていうそれだけのことなんだけど。.その子の名前を知っているわけじゃない、特に目立つ子だいうわけでもない、誰に見られているとも思わないその無意識の行為が、ささくれ立っていた心に妙にしみた。「ライ麦畑・・」のホールデンが、フィービーの姿に感じるようなものと同質かも、って思った。

反省すべきことは、自分が正論だと思って書いた言葉が、知らぬ間に人を傷つけていた、ってこと。こちら側にいるものにとっては正論でも、その対極にいるものにとってはそれは心外な言われ方だ、というのはよくあることなんだなあ、と感じ、誤解というのはこうやって生まれるんだな、ということを身をもって知った。メールや手紙は便利だけど怖いね。やっぱり直接会って話さないと、伝わらないことはあるよね。。。。私の言葉は、ときどきナイフになるみたい。家族にも言われてます。反省。
(「いわしの読書日記〜books of iwashido〜2006.04.13より転載)

16:26:57 - nanamin - 1 comment - TrackBacks

30 December

ガタンコガタンコ シュウフツフツ

ガタンコガタンコ、 シュウフツフツ、

さそりの赤目が 見えたころ、

四時から今朝も やって来た。

遠野の盆地は まつくらで、

つめたい水の声ばかり。

(「シグナルとシグナレス」『ちくま文庫版 宮沢賢治全集8』より)

 宮沢賢治というのは、私にとっては読んでも(活字を追っても)そのイメージが頭の中に描けない作家の1人だったのだが、先日、NHK教育の「にほんごであそぼ」のなかで、野村まんさい(でしたっけ?)が、後ろに子ども4人を引き連れて機関車の格好をして、「ガタンコガタンコ、シュウフッフッー」と件の詩を読みながらステージにセットされた線路の上を走ってのをみて、「ああ、こういうことだったのか!」といたく納得してしまった。まさに腑に落ちたという感じ? これはなかなかいいです。みなさん、ぜひ見てください。私はいつも朝8時からのを見ています。(ついでに「ピタゴラスイッチ」も。)

 「にほんごであそぼ」には、前にも『銀河鉄道の夜』のクライマックスシーン(ジョバンニとカンパネルラが銀河鉄道に乗って語り合う、そして気がつけばカンパネルラが消えていたシーン)をやっているのを見て、読めるかも、と思えたから、ずいぶん助けてもらってる。

 まあ要するに、私は活字を頭で理解できても、情景として読むのが苦手なんだなあ、というのがよくわかった。それなのによく読書なんかしてるよなぁ・・・・。

(「新月いわしの読書日記」2006.12.03より転載。)
14:54:39 - nanamin - 2 comments - TrackBacks