古本LOGOS 
いわしの読書日記改め、古本屋&ブックカフェ通信

19 October

読むための本と、売るための本?

○月×日
コトノハ読書会の第2回を実施。
集まったのはいつものメンバー(前回と同じ)。
取り上げた本は『センス・オブ・ワンダー』。
「センス・オブ・ワンダーの図書館を作りたい」と話してくれた、
初代津端図書館長のMさんの言葉の意味するところを知りたくて取り上げた。

しかし、この本の成立過程をさぐると、これはカーソンの死後、仲間が遺稿をまとめて編集した、とある。だから一見読みやすいのだが、熟読しても(内容が)入ってこない、ちぐはぐな感じがする、という意見もあり。本当にレイチェル・カーソンの思想や言葉を追及したければ、『沈黙の春』を読んだほうが真髄に近いのかも。

ましてや、奥能登は海も近く、山も近く、子供を自然に連れ出すのは当たり前、というか、日常生活に自然ががっしり組み込まれており、ここに書かれている程度の自然体験は、「それが、何?」というような人にとっては、甥っ子自慢の話には新鮮味を感じないのかも。

しかしもちろんこの本の存在意義を否定するわけではなく、
自然の力に気が付いていないヤングアダルト世代や、
自然から遠く離れて暮らす都会の人には一定のインパクトがあるのでは、というあたりで落ち着き、ぜひどなたかに、
奥能登版「センス・オブ・ワンダー」を書いて出版させよう!
という結論になりました。

じっくりと本を読みなれているメンバーには
物足りない選書になってしまい、申し訳なかったです。
イントロダクションとしての良書と、
深めたい人のために適切な本は違うことに気が付きました。


11:57:00 - nanamin - No comments - TrackBacks