古本LOGOS 
いわしの読書日記改め、古本屋&ブックカフェ通信

最も印象的だったブックカフェ(千駄木編)

短い、限られた書店・古書店・ブックカフェ探検の中で
刺激をもらったのはどこからも何かしら。

それらの中で、2つのお店について詳しく感想っぽいことを
書いてみたい。どちらも偶然ある本を通してその店を知っていた。

<結構人ミルクホール>

このお店のことは『ブックカフェものがたり』(幻戯書房)で
読んで知っていた。9つのブックカフェが紹介されている本書の中で、自分がするとして一番店主の心構えが似ている気がしたのは
このお店だった。一人で始める、とか、内装はできる限り手作りで、隠れ家的ブックカフェの様子などが。
そのときは「ふるほん結構人ミルクホール」として紹介されていた。古書の販売と、カフェの半々、という印象だった。

ところが現在は「ふるほん」部分はどちらかといえば小さく記載されるような「結構人ミルクホール」になっていた。
HPなどにもあったが、本の販売在庫は限りなく少なくなり、店内閲覧用の本・雑誌が棚2本ほど? 閲覧用の本にはきちんと、タグというか、図書館でいう管理ラベル的なものが貼られていたのが印象に残った(アイデアいただき!)。

その分、「カフェ・ミルクホール」的な側面にずいぶん力を注いでいるようで、店主(男性)自ら珈琲にこだわり、ケーキも作られるよう。この辺はわたしとはちょっと違ってくる。私は自分で焼いたケーキ・スイーツなどを人に食べてもらってお金をもらうような芸当は絶対無理。

そしてなにより、その隠れ家的なルールを守ってまでも、このブックカフェを訪れる人が絶えないことにおどろいた。
お店は、谷根千ブックストリートから1本裏の通りをさらに小路に入って曲がっていくような路地奥にあり、普通の民家が近在する。なので大きな声でのおしゃべりは遠慮下さい、というような張り紙があり、さらには店内は1人席のみ。つまり連れ立ってこのお店に来ても、数人で会話したり、カップルが愛をふかめるような会話を重ねることさえご法度。私らも、2人で連れ立って行き、もう一人の友人と待ち合わせをしたのだが、それぞれ1人ずつ離れた席に座り、各自買った本などを読み、「結構人ミルクホール」の雰囲気を堪能した。その時点でほぼ満席であり、私たちのあとからやってきたカップルは、席がないので断られかえって行った。

決して明るくはない店内で、ある人はスマホで情報をさぐり、あるものは読書にいそしみ、ある人はケーキと牛乳の美味しさを堪能する。そんな感じだった。

一般的に思われている「ブックカフェ」のイメージがあるとして
この店はそういう期待にはこたえない。どこまでも独自の、オリジナルな心地よさを追求する、店主の心意気を垣間見た気がした。
posted at 09:25:27 on 07/22/12 by nanamin - Category: 開業日記

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