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古本LOGOS
いわしの読書日記改め、古本屋&ブックカフェ通信
30 December
ガタンコガタンコ シュウフツフツ
ガタンコガタンコ、 シュウフツフツ、
さそりの赤目が 見えたころ、
四時から今朝も やって来た。
遠野の盆地は まつくらで、
つめたい水の声ばかり。
(「シグナルとシグナレス」『ちくま文庫版 宮沢賢治全集8』より)
宮沢賢治というのは、私にとっては読んでも(活字を追っても)そのイメージが頭の中に描けない作家の1人だったのだが、先日、NHK教育の「にほんごであそぼ」のなかで、野村まんさい(でしたっけ?)が、後ろに子ども4人を引き連れて機関車の格好をして、「ガタンコガタンコ、シュウフッフッー」と件の詩を読みながらステージにセットされた線路の上を走ってのをみて、「ああ、こういうことだったのか!」といたく納得してしまった。まさに腑に落ちたという感じ? これはなかなかいいです。みなさん、ぜひ見てください。私はいつも朝8時からのを見ています。(ついでに「ピタゴラスイッチ」も。)
「にほんごであそぼ」には、前にも『銀河鉄道の夜』のクライマックスシーン(ジョバンニとカンパネルラが銀河鉄道に乗って語り合う、そして気がつけばカンパネルラが消えていたシーン)をやっているのを見て、読めるかも、と思えたから、ずいぶん助けてもらってる。
まあ要するに、私は活字を頭で理解できても、情景として読むのが苦手なんだなあ、というのがよくわかった。それなのによく読書なんかしてるよなぁ・・・・。
(「新月いわしの読書日記」2006.12.03より転載。)